この仕事をしていると、やきものの良し悪しを思い、そもそも「美しい」とは何なのかなんて思うことも自然なことと思います。美しいと感じるものをたくさん見たり体験することで法則を見出そうと試みたり、本を読んだり、その答えを科学に求めてみたり、どこか直接的で短絡的な方へ私は考えを向けてしまいます。
橋本さんは自然観、宗教観、哲学、歴史、偉人の思想などを学ばれた上で、ご自身の立ち位置を決めご制作されています。そのせいか、お話しをしていると橋本さん一人ではなく、統一された意思を持つ複数の人を相手にしているように感じます。血の通った何本もの柱を持つ「橋本誠」という価値観を通して、いろいろな美の景色に臨めるのです。なんて書くと堅苦しくなりますが、とてもやわらかで魅力的なお方です。ジョークもお好きです♡
橋本さんは昭和18年のお生まれ。高校入学から絵を描き始め、21歳で画家を目指し上京。様々な出会いを経て27歳で最後の絵画個展をした後、陶芸を始められました。現在は日光に独自構造の薪窯を築かれご制作されています。
自然な流れを活かした成形と、複数回焼かれることにより生じた豊かな景色は作品に幽玄さを纏わせます。写真ではお伝えしきれないのが辛いところです。橋本さんを通した美の景色。是非、覗きにいらしてください。