今年も谷本貴さんの個展を開催いたします。弊店では8回目です。今回も「伊賀と白磁」を題にご出品いただきます。
「伊賀と白磁」。極端に雰囲気が違うものを並べることから楽しさを見出すという狙いがないわけではないのですが、少し違います。谷本作品の独特な造形を伊賀・白磁それぞれの視点から覗き、何を考えているのか探ろうというわけです。今回の掲載作品でいうと、茶盌はとても複雑な均衡で成されていて、1mmでもどこかズレようものなら破綻してしまう絶妙な形をしています。
皿・鉢類は土のもつ可塑性を可視化したようなゆったりとした大枠に、強い意図による手をやや鋭く入れて谷本さんの形とされています。谷本さんが意識しているかは不明ですが、それらから光悦に通ずるものを感じます。
ぐい呑は財布を落とした日にでも作られたのでしょう。意図があるけれど、事故のように全く異質なものが貼りつけられており茶盌や皿とは別物です。
こうしたものを生み出す谷本さんの脳内を覗く為の視点として白磁を取り入れてもらいました。
形について思うことをダラダラと書きましたが、景色にも強い独自性があり(焼き方が特殊なんです)野趣あふれる質感も伊賀らしく、やきものとしてとても魅力的であり、谷本さんが陶芸家でよかったなぁと思います。
茶器・花器・酒器・食器と揃います。是非ご覧ください。